「投資はリスクを伴うもので怖いものだ」、「元本確保が一番で、とにかくお金を減らさないことが大切だ」と考える方も多いのではないでしょうか。
しかし、「お金を減らさない」とは単に金額を減らさないということではありません。例えば、苦労して貯めた100万円が、10年後や20年後にも今と同じ価値を持ち、
現在と同じだけのモノやサービスを購入できる保証はあるでしょうか。
「お金」の価値は、どれだけのモノやサービスを購入できるかによって決まります。例えば、今年は5kqのお米を3,000円で購入できたとしても、
1年後に同じお米が4,000円に値上がりしていれば、3,000円で購入できる量は以前よりも少なくなります。つまり、今年の3,000円が持っていたお米との交換価値は、
1年後には実質的に75%(3,000円÷4,000円)に目減りしていることになります。
上記はお米の価格を例にしたものですが、日本全体の物価の動向を示す指標として、総務省が毎月公表している「消費者物価指数指数(CPI)」があります。
その動きを見ることで、モノやサービスの価格が全体として継続的に上昇している状態(インフレ)なのか、あるいは下落している状態(デフレ)なのか、その傾向を把握することができます。
インフレ率が年率2%ということは、100円のモノが1年後には102円になっているということで、同じ金額で買えるものが1年後に2%少なくなるということです。
逆に考えると、1年後の100万円の実質的な価値は現在の約98万円に相当します。さらに、毎年年率2%のインフレが安定的に続いた場合、
現在の100万円の価値は下のグラフのように徐々に低下し、20年後には約67.3万円、30年後には約55.2万円に相当することになります。
このように、100万円を現金のまま大切に保管しておいたとしても、インフレが続く環境ではお金の額面は変わらなくても、実質的な価値はどんどん目減りしていくことになります。
*インフレとは?
インフレは、モノやサービスの価格が継続的に上昇していく状態のことです。
下図のように、以前は一定の金額で購入できたモノやサービスが、1年後には同じ金額で購入できなくなることです。
これは、お金で買えるモノやサービスの量が減少することを意味しており、お金の実質的な価値(購買力)が低下していることを意味します。
つまり、資産運用とは「将来の実質的な支払い価値(購買力)を維持すること」が重要な目的のひとつであると言えます。
インフレ率が年率2%であれば、資産の実質的な価値を維持するためには、運用による収益も年率2%以上を目指す必要があります。「資産運用」は短期的な値動きによって「得した」、
「損した」と一喜一憂するものではなく、このように長期的な視点で取り組むことが必要です。
資産運用は大きく分けて「貯蓄」と「投資」に分けられます。
「貯蓄」は銀行預金など、基本的に元本を毀損することはなく、いつでも現金で下ろすことができるという前提ですが、収益はあらかじめ決められた利率に基づく利息に限られるものです。
これに対して「投資」は、生み出される金利や配当金のほかに、元本そのものの値上がり益も含めた収益を期待して資金を投じるものです。
資産運用の「リターン」は、運用によって得られる成果を測るもので、「貯蓄」であれば決められた利率のみで判断することができますが、「投資」のリターンは金利や配当金など定期的に入ってくる収入と、元本の変動分を併せたトータルで判断します。
「リターン」は次のように計算し、通常は年率(%)に換算します。
したがって「投資」は、表面的な利率や分配金の高さだけではなく、期間後における時価が投資元本に対してどれだけ増えているのか、減っているのかを総合的に見ることが重要です。
投資による最終的なリターンは、投資開始時点ではすべて期待や予想であり、経済環境や景気動向によって影響を受ける不確実なものです。
この不確実性の大きさの度合いが「リスク」と呼ばれています。例えば国債などの債券は、償還期日まで保有すれば基本的に額面金額で元金が戻ってきますので、
「リスク」は小さいと判断されますし、一方株式などの資産価格は毎日時価が変動する値動きが大きいもので、「リスク」が大きいと判断されます。
「リスクが高い運用」とは、今後の期待されるリターンの振れ幅が大きく、その結果マイナスに振れた場合に元本を割り込む可能性も高いということになります。
但し逆にプラスに振れた場合は大きなリターンを確保する可能性も同時にあるといえます。
これを図にすると、リスクの低い運用(青線のグラフ)は、想定される期待収益率の前後の狭い範囲に実績が収まる可能性が非常に高いのに対して、リスクの高い運用(赤線のグラフ)は、想定される期待収益率をはさんで実績が上下に大きくずれる可能性が高いということになります。
資産運用の世界では、高いリターンを確保するためには、リスクの水準も相応に高くなることが一般的です。
リスクとは「リターンの振れ幅」であり、リターンを得るためにはある程度リスクを取らなければなりません。但し、高リターンを狙って必要以上に大きなリスクを取れば、その分期待リターンは高まりますが、その一方で、大きな損をする可能性も出てきます。
どれくらいのリスクを取ればいいのかを考える上で重要な考え方のひとつに「リスク許容度」というものがあります。「リスク許容度」とは、資産運用により発生する損失をどの程度受入れられるかの度合いです。
具体的には、元本が減少しても自分で納得できる範囲(水準)のことを指します。
つまり・・・
リスク許容度は、自分の資産や気持ちの余裕度と言い替えることも出来ます。
自分のリスク許容度を考えてみよう!
投資対象や投資を行う時間を分散することでリスクを分散することができ、安定したリターンが期待できます。
「分散投資」の重要性を説明するのに頻繁に使われる格言に”卵をひとつのカゴに盛るな”というものがあります。
すべての卵を入れたカゴを落とすとたくさんの卵が一度に割れてしまいますが、カゴを複数に分けることによって、例えそのうちのひとつを落としてしまったとしても
被害を最小限に抑えることができるということです。
投資は資産や通貨、時間などを分散し、リスクと上手に付き合うことが大切です。
ひとくちに分散投資といっても、さまざまな種類があります。例えば、株式や債券といった「投資対象資産」を分散させる方法、 米ドルやユーロといった「通貨(地域)」を分散させる方法、また、投資を行う「時間」を分散させる方法などがあります。
投資対象は主に「株式」、「債券」、「REIT(不動産)」がありますが、これらの資産は相場状況に応じて価格が変化します。そして、その変動の方向性、大きさは各資産が持つ特徴などにより異なります。
いくつかの異なる値動きの資産に資金を分けて投資することで、リスク(変動の大きさ)を抑制することが期待できます。
購入時期を分散して購入することで、高いときに買いすぎたり、安いときに買い損ねたりすることなく、継続的に投資を行うことができます。
値動きのあるものに毎月一定金額ずつ着実に投資していく方法。高いときには少なめに、安いときには多めに購入することになり、 いっぺんに購入するよりも平均購入単価を低く抑えることができます。
資産運用は、将来への備えだけでなく、これからの人生をより豊かに過ごすための手段のひとつです。
お金との向き合い方や資産形成の考え方など、さまざまなテーマを分かりやすく解説した資料を掲載しています。
ぜひ今後の資産運用やライフプランの参考にご活用ください。
商号等:八十二証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 21 号
加入協会 :日本証券業協会 一般社団法人 資産運用業協会
Copyright © 2019 HACHIJUNI SECURITIES Co.,Ltd All Rights Reserved