今は銀行に預けても利息はほとんどつかないし、昔のように物価もあまり上がらないから、 「お金は無理をして増やさなくとも、減らないようにすればよい」と考える方も多いと思います。 でも「お金を減らさない」ということは単純に金額を減らさないということではありません。 例えば 苦労して貯めた100万円が10年後、20年後も今と同じ価値、つまり同じだけのモノやサービス を買えるという保証があるでしょうか?
右のグラフは、国際通貨基金(IMF)が公表している日本の消費者物価上昇率(インフレ率)の 1980年(昭和55年)からの推移です。確かに1999年以降、インフレ率がマイナスとなるいわゆる
「デフレ的な傾向」が続いてきました。
しかし地球上の資源は有限です。人口が増加している新興国が豊かになれば世界的に需要 が増加して資源や食料などの価格が長期的に上昇していくことが予想されます。
日本銀行は年率2%のインフレ率(物価上昇率)を目標とした金融緩和政策を推し進めています。インフレ率が年率2%ということは、 100円のモノが1年後には102円になっているということで、
同じ金額で買えるものが1年後に2%少なくなっているということです。 逆に言えば1年後の100万円は現在の約98万円と同じ価値ということになり、
もし毎年安定的に年率2%のインフレ率が続くとすれば、 下のグラフのように現在の100万円は20年後には67.3万円、30年後には55.2万円の価値しかないということになります。
したがって100万円を現金のまま大事に保管しておいても、インフレのもとでは実質的にその価値がどんどん目減りしていくことになります。
つまり資産運用とは、「将来の実質的な支払い価値を減らさないようにすること」が最も大事な目標であると言えます。
インフレ率が年率2%ならば、運用も年利2%以上でなければ、あなたの資産の実質的価値は目減りしていくことになります。 「資産運用」は短期的に「得した」、
「損した」ということではなく、このように長期の視点が必要なのです。
資産運用は大きく分けて「貯蓄」と「投資」に分けられます。
「貯蓄」は銀行預金など、基本的に元本を毀損することはなく、いつでも現金で下ろすことができるという前提ですが、収益はあらかじめ決められた利率に基づく利息に限られるものです。
これに対して「投資」は、生み出される金利や配当金のほかに、元本そのものの値上がり益も含めた収益を期待して資金を投じるものです。
資産運用の「リターン」は、運用によって得られる成果を測るもので、「貯蓄」であれば決められた利率のみで判断することができますが、「投資」のリターンは金利や配当金など定期的に入ってくる収入と、元本の変動分を併せたトータルで判断します。
「リターン」は次のように計算し、通常は年率(%)に換算します。
したがって「投資」は、表面的な利率や分配金の高さだけではなく、期間後における時価が投資元本に対してどれだけ増えているのか、減っているのかを総合的に見ることが重要です。
投資による最終的なリターンは、投資開始時点ではすべて期待や予想であり、経済環境や景気動向によって影響を受ける不確実なものです。
この不確実性の大きさの度合いが「リスク」と呼ばれています。例えば国債などの債券は、償還期日まで保有すれば基本的に額面金額で元金が戻ってきますので、
「リスク」は小さいと判断されますし、一方株式などの資産価格は毎日時価が変動する値動きが大きいもので、「リスク」が大きいと判断されます。
「リスクが高い運用」とは、今後の期待されるリターンの振れ幅が大きく、その結果マイナスに振れた場合に元本を割り込む可能性も高いということになります。
但し逆にプラスに振れた場合は大きなリターンを確保する可能性も同時にあるといえます。
これを図にすると、リスクの低い運用(青線のグラフ)は、想定される期待収益率の前後の狭い範囲に実績が収まる可能性が非常に高いのに対して、リスクの高い運用(赤線のグラフ)は、想定される期待収益率をはさんで実績が上下に大きくずれる可能性が高いということになります。
資産運用の世界では、高いリターンを確保するためには、リスクの水準も相応に高くなることが一般的です。
リスクとは「リターンの振れ幅」であり、リターンを得るためにはある程度リスクを取らなければなりません。但し、高リターンを狙って必要以上に大きなリスクを取れば、その分期待リターンは高まりますが、その一方で、大きな損をする可能性も出てきます。
どれくらいのリスクを取ればいいのかを考える上で重要な考え方のひとつに「リスク許容度」というものがあります。「リスク許容度」とは、資産運用により発生する損失をどの程度受入れられるかの度合いです。
具体的には、元本が減少しても自分で納得できる範囲(水準)のことを指します。
つまり・・・
リスク許容度は、自分の資産や気持ちの余裕度と言い替えることも出来ます。
自分のリスク許容度を考えてみよう!
投資対象や投資を行う時間を分散することでリスクを分散することができ、安定したリターンが期待できます。
「分散投資」の重要性を説明するのに頻繁に使われる格言に”卵をひとつのカゴに盛るな”というものがあります。
すべての卵を入れたカゴを落とすとたくさんの卵が一度に割れてしまいますが、カゴを複数に分けることによって、例えそのうちのひとつを落としてしまったとしても
被害を最小限に抑えることができるということです。
投資は資産や通貨、時間などを分散し、リスクと上手に付き合うことが大切です。
ひとくちに分散投資といっても、さまざまな種類があります。例えば、株式や債券といった「投資対象資産」を分散させる方法、 米ドルやユーロといった「通貨(地域)」を分散させる方法、また、投資を行う「時間」を分散させる方法などがあります。
投資対象は主に「株式」、「債券」、「REIT(不動産)」がありますが、これらの資産は相場状況に応じて価格が変化します。そして、その変動の方向性、大きさは各資産が持つ特徴などにより異なります。
いくつかの異なる値動きの資産に資金を分けて投資することで、リスク(変動の大きさ)を抑制することが期待できます。
購入時期を分散して購入することで、高いときに買いすぎたり、安いときに買い損ねたりすることなく、継続的に投資を行うことができます。
値動きのあるものに毎月一定金額ずつ着実に投資していく方法。高いときには少なめに、安いときには多めに購入することになり、 いっぺんに購入するよりも平均購入単価を低く抑えることができます。
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